どうもこんにちは。
YAMAHA Pacifica人気ですね・・・
数年前は某ギター講師の影響で人気に火がつき、最近はぼっちざろっくの影響で品薄状態
(アニメ面白かったのでおすすめです)
とても評価の高いPacificaですが、拗らせギターオタクからみたら
「そんなに・・・他にも良いギターあるし・・・もう数万でFenderが・・・」
という意見もあったり。(自分もちょっと思ったり・・・)
今回はこれから楽器を買う初心者層にもできるだけわかりやすく説明しながらPacificaのどこがいいのかを書いていきます
というわけで今回のブログ記事はいつもの機材レビューではなく、考察的な記事です
楽器店員時代に撮っていた写真があったのでそれをもとに書いていきます。
某アニメに出てきたギターと同タイプ、これから掲載するギターは色違いのものです。
(たしか限定カラー)
なので本記事は基本600番台のPacificaについて書いてます
では先に結論から。
YAMAHAのPacificaは非常にコスパの良いギターです。はい。
このギターによくあるマーシャルアンプ繋げば普通に良い音します。はい。
じゃあ、このギターのどこがよくて、どこが微妙なのかを解説していきましょう。
まずは良い点
・パーツのグレードが標準クラスである
・木材の管理がしっかりしている
・見た目がかっこいい
・演奏性の良いスペック
です。
では上から詳しく説明して行きます。
・まずはパーツのグレード
一番大きく感じるのはピックアップの部分
・ピックアップ(PU):弦の振動を拾うパーツ、人間で言うとマイク、エレキギターの音色の大部分を占めるとも言われてます。
ギターの真ん中くらいにあるやつです。これ↓
まず、ここがSeymour Duncanのパーツであること
Seymour Duncanは世界で一番といっても良いほどシェア率の高いパーツブランド
数十万円するギターにも使われており、一つ1万円以上します
なので正直これだけで良い音します。ほんとです。
そしてPacificaのいいところはモデル数が多くこのPUのバリエーションがあるところ
611の型番はハムバッカー(下)とP90タイプ(上)を搭載
他には下の612についている真ん中と上にシングルコイルがついてます
簡単に説明するとハムバッカーはこのシングルコイルを二つ重ねたPU
なのでパワーが強いです。
ギュイーンとロックなサウンドを出すのに向いてます。
逆にシングルは軽めのジャキッとしたサウンドが出やすいです。
611は上にその中間的なサウンドのp90タイプというのを搭載。
そして、Pacificaはコイルタップという機能がついており、
ハムバッカーの片方だけを使いシングルコイルに近いサウンドも出せます。
なのでPacificaはいろんな音が出せ、オールマイティーに使えるギターということです。
あとはブリッジ(弦を通して支えてるところ)とペグ(弦を巻くところ)が安いのではなく、ちゃんとブランドがついているものであること
基本、この価格帯はどこが作ってるのかよくわからないパーツが使われがち、
それだと精度が悪かったり、すぐ壊れたりということが多いです。
使っているのはGroverとWilkinsonのもの
Groverは世界的にも有名なGibsonブランドでも使われてます。
しかもペグは普通に巻きつける必要のないロックペグです。
(ただこの二つのパーツは後述する微妙ポイントにつながります)
・次に木材の管理
(ここは憶測の部分もあります)
YAMAHAは自社の海外工場を持っているため、やはり企業としてのクオリティコントロールが非常にいいです。(自分も同グレードに近いYAMAHAのベースを所持)
数十本みましたが、ネックの部分が変に反ったりフレットが明らかに浮いてる個体はあまりみなかったです。
ギターは木材のため、どんなに高価なものでも湿度などの環境で曲がる可能性があります。
なので加工前にちゃんとした乾燥、シーズニングなどが必要です。
特に、極端に安いギター、無名のブランドなどはここがやばいです
数年経ったら反りや、それによる金属部分のフレットが飛び出す、浮くというが多いです(よく言われる安すぎるギターはやめとけというやつ)
というのが経験上、他ブランドと比べて少なかったで、ちゃんとしてるんだなぁと思うポイントです。実際に工場を見たわけでわないので憶測です。
あとは他ブランドと違い木材の種類がアルダー、メイプル、ローズウッドと標準なこと
昨今木材不足により代替材をつかってるとこが多いです
※アルダー、メイプル、ローズウッドは昔からギターでも使われてる木材の名前
産地とかは様々
・次に見た目のかっこよさ。
これは主観的ですが、Pacificaってかっこいいですよね。
600番台だとフレイムメイプルといった見た目のいい木材が使われてたりします
・最後に演奏性
Pacificaは握りやすいネック、41mmと若干狭いナット幅
なので手が欧米人より小さい日本人向けなスペックです
指板が平べったいので弦高が下げやすく、フレットも大きめなので軽いタッチで演奏できる
と非常に弾きやすい、今風なギターです。
と良い点を書きましたが、次は悪い点・・・とまでは正直ないので微妙な点を
・パーツが普通じゃない
・塗装が微妙
・木材のグレード
・全体的な仕上がり
です。
・まずはパーツが普通じゃない点
これさっきいい点に書いたブリッジとペグですが
ブランドとてはしっかりしているものの、ギター業界一般で言うとあまり使われてないものたちです
ロックペグはGotoh、SCHALLERというブランドが有名で
この二つは下、もしくは上で弦を挟み、ロックすると言うもの
逆にPacificaに搭載のGroverは弦を内と外の壁で挟む仕組み
慣れるとGroverも使いやすいですが、初めてギターを触る人にとっては構造がむずかしいと思います。
ブリッジも同様に普通と違います
上がFenderの普通のブリッジ
このブリッジは弦を外すとこんな感じで動きます。
これも一般的なブリッジと比べると違う点があり、あまり初心者向きではありません。
(まぁ見た目はかっこいいと思います。)
上から押さえつけるねじの調整が少し面倒でした。
と、まぁ初心者向きではないですが、すごい複雑というわけでもないので
ここら辺は購入時に楽器店の人に聞いてくださいな
あとはハードテイルといったトレモロがついてないモデルもあります
これはアーミングができない分シンプルで使いやすいです。
・次に塗装の質です
正直ここは値段相応、コスパの良さは感じられません
塗装は全体的に綺麗に仕上がってますが、ネックは特に厚く感じます。
薄ければ良いってものでもないですが、やはり厚いとそれだけ振動が妨げられるという意見が多いため、ギターは薄い塗装の方が好まれます
あとはこういうバリ、処理の甘さがありました。
・次に木材グレード
先に述べた木材の管理とは異なり、ここでは木材そのものの質について書きます
特にこの600番台はフレイムメイプルを上に貼ってます・・・
そして、この貼っている木材がすごい薄いです。
ほんと0.数ミリのを貼っているため、遠くで見ると高級感はありますが
近くで見ると薄いなぁって思います。
あとは後ろのアルダー材
ここのピース数(何個の木を接着してるか)が大体4つ以上でした。
(写真じゃわかりづらいかもだけど4つの木材が合わさってます)
シースルーの塗装なんで近くで見るとここも多いなぁって思っちゃいます。
とこれを微妙な点で書きましたが、こんなの気にするのは拗らせギターオタクぐらいです。
(音も変わりはしますが、それを聞き分けられるかと言われれば・・・微妙です)
例えば厚みのあるフレイムメイプルを使うギターは20万超えますし、
後ろの木材も真ん中で綺麗に分けてるのなんて数十万クラスのギターからです
(Fender USAのレギュラー品でも3ピースとかは普通)
・最後の全体的な仕上がり
細かいところで見るとすごいあります・・・
例えばナットの接着具合だったり、フレットの処理具合があまく感じたり・・・
ただ、演奏する上で問題になるかとうと、ならない点も多く・・・
大体は楽器店員レベルの知識があれば手直しでき、いいコンディションで弾けました。
なので上記を見るとこれはコスパがいいギターではなく値段相応の品質もあるというところです。
総合的に見るとやはりPacificaは非常にいいギターです。
ただ、これが6〜7万だから言えること
もし、もう数万出せば、しっかりした日本製のギターが買えます。
(中古だとFenderの日本製とかも)
それこそ日本製のギターの方が総合的な作り、仕上りがいいです。
・・・しかしながらギターに対し6~7万の予算って考えるとPacificaは強いです。
初心者に最初の一本としてもいいですし、600番台であれば持っていて音に関して困ることが少ないです。
たしかに皆がおすすめするのもわかります。
(一応同価格帯でも日本製あるけど個人的にはDuncanPU乗ってた方が好き)
今(2023年)、品薄な状況で自分が言いたいことがあるとしたら・・・
もし初心者でPacificaを買うなら楽器店で買おうね・・・と言うこと
楽器は木材でできているため環境によって弾きにくくなることもしばしば。
なのでその時購入した店舗であれば相談できる!と言うこと
そしてYAMAHAさんはちゃんと生産してくれるだろうから待とう!!
以上!!